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彼女が死んだ  

彼女が死んだ              


 若者にはフィアンセが居た
 来年の春結婚するはずだった

 けれどもある日彼女が入院した
 見舞いに行った病室で
 弱々しく微笑む彼女――
 「大丈夫さ、じきに帰れるよ」
 そう言うと彼女はうなずいた

 帰ろうとすると医者が言った
 「あなたが彼女の婚約者ですか?
  大事な話がありますから
  ご一緒に面談室へどうぞ」
 彼女のお母さんも居た

 面談室で医者が言う
 「お母さん、すみませんが、
  彼にも同席してもらってよろしいですか?
  お嬢さんのことですが、
  彼も知るべきだと思います」
 お母さんがうなずいた

 医者は沈痛な顔で言う
 「現代の医学では、
  もうこれ以上の治療はできません。
  もってもせいぜい1ヶ月、
  そこまで持たない場合もあります。
  心の準備をしてください」

 若者の頭が真っ白になり
 お母さんはすすり泣いた

 それからちょうど一ヶ月半
 若者の恋人は亡くなった

 抜け殻のようになりながら
 若者は葬儀に出席した...
 若者は東京出身だったが
 悲しみは出身地には関係ない


 若者にはフィアンセが居た
 来年の春結婚するはずだった

 けれどもある日彼女が入院した
 見舞いに行った病室で
 弱々しく微笑む彼女――
 「大丈夫さ、じきに帰れるよ」
 そう言うと彼女はうなずいた

 帰ろうとすると医者が言った
 「あなたが彼女の婚約者ですか?
  大事な話がありますから
  ご一緒に面談室へどうぞ」
 彼女のお母さんも居た

 面談室で医者が言う
 「お母さん、すみませんが、
  彼にも同席してもらってよろしいですか?
  お嬢さんのことですが、
  彼も知るべきだと思います」
 お母さんがうなずいた

 医者は沈痛な顔で言う
 「現代の医学では、
  もうこれ以上の治療はできません。
  もってもせいぜい1ヶ月、
  そこまで持たない場合もあります。
  心の準備をしてください」

 若者の頭が真っ白になり
 お母さんはすすり泣いた

 それからちょうど一ヶ月半
 若者の恋人は亡くなった

 抜け殻のようになりながら
 若者は葬儀に出席した...
 若者はソウル出身だったが
 悲しみは出身地には関係ない


 若者にはフィアンセが居た
 来年の春結婚するはずだった

 けれどもある日彼女が入院した
 見舞いに行った病室で
 弱々しく微笑む彼女――
 「大丈夫さ、じきに帰れるよ」
 そう言うと彼女はうなずいた

 帰ろうとすると医者が言った
 「あなたが彼女の婚約者ですか?
  大事な話がありますから
  ご一緒に面談室へどうぞ」
 彼女のお母さんも居た

 面談室で医者が言う
 「お母さん、すみませんが、
  彼にも同席してもらってよろしいですか?
  お嬢さんのことですが、
  彼も知るべきだと思います」
 お母さんがうなずいた

 医者は沈痛な顔で言う
 「現代の医学では、
  もうこれ以上の治療はできません。
  もってもせいぜい1ヶ月、
  そこまで持たない場合もあります。
  心の準備をしてください」

 若者の頭が真っ白になり
 お母さんはすすり泣いた

 それからちょうど一ヶ月半
 若者の恋人は亡くなった

 抜け殻のようになりながら
 若者は葬儀に出席した...
 若者はサンパウロ出身だったが
 悲しみは出身地には関係ない


 若者にはフィアンセが居た
 来年の春結婚するはずだった

 けれどもある日彼女が入院した
 見舞いに行った病室で
 弱々しく微笑む彼女――
 「大丈夫さ、じきに帰れるよ」
 そう言うと彼女はうなずいた

 帰ろうとすると医者が言った
 「あなたが彼女の婚約者ですか?
  大事な話がありますから
  ご一緒に面談室へどうぞ」
 彼女のお母さんも居た

 面談室で医者が言う
 「お母さん、すみませんが、
  彼にも同席してもらってよろしいですか?
  お嬢さんのことですが、
  彼も知るべきだと思います」
 お母さんがうなずいた

 医者は沈痛な顔で言う
 「現代の医学では、
  もうこれ以上の治療はできません。
  もってもせいぜい1ヶ月、
  そこまで持たない場合もあります。
  心の準備をしてください」

 若者の頭が真っ白になり
 お母さんはすすり泣いた

 それからちょうど一ヶ月半
 若者の恋人は亡くなった

 抜け殻のようになりながら
 若者は葬儀に出席した...
 若者がどの国の出身でも
 悲しみは出身地には関係ない


 人よ、
 あなたは何故、
 ある人の出身地や、
 民族や宗教や、
 国籍や肌の色と言った、
 くだらない、どうでも良い事だけに目を光らせて、
 その人の内面を、
 心を、魂を、そして輝く意志と個性とを、
 見ようともしないのか?

 あなたは国籍でもなければ、
 民族でもなく、
 信仰者でも肌色でも、
 話す言語でもない。

 あなたは一人のかけがえのない、
 尊い一人の人間なのだ。

 あなたがそうである以上、
 あなた以外の全ての世界の人々も、
 等しく同じかけがえのない、
 尊いそれぞれの人間なのではなかろうか?

 あなたが人として尊敬され大切にされ、
 敬意を払って欲しいと願うなら、
 あなた自身が全世界の人々にも、
 敬意を払い尊重し、
 その命と人格、
 その人権と思いとを、
 尊重しなければならないのではなかろうか?


20120325[1]

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