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甘い誘惑。

甘い誘惑。

  ―クピドの罠―


ムスクにシトロン、シャネルの5番。
夜の香水が匂い立つ。

男がオオカミ、女が女鹿に、
獣になって求め合う。


誘惑の夜が終わりを告げて、
薄明の朝が訪れる。

男の炎は消え失せて、
豚さながらに大いびき。

(あるいは中華の肉饅か?
 それとも蒸籠の小龍包?)

女の炎はくすぶりながら、
みだらな余韻に浸っている。


……やがて情欲が鎮まれば、
現実が再び蘇る。

惨めな人生、孤独な旅路。
怒鳴られこづかれ屈辱の日々。

香水と一緒に女は化粧もはがれ、
ルージュもぼやけてまるで別人。

取り繕った男の言葉もお世辞も、
今となっては全部嘘。


「こんなはずではなかった」と、
気付いた時にはもう遅い……

別れてすっかり忘れたころに、
びっくり箱の置き土産。

(ハッハ、お楽しみはこれからさ)


肉がえぐれる梅毒に、
膿がしたたる淋病、エイズ。

惨めな思いで医者通い。

検査薬で二本、線が出た!
「あなたはママになりますよ。」

女は気付いて真っ青になり、
男はどう逃げようかと思案する。

惨めな思いで中絶したら、
女は妊娠できなくなった。

しぶしぶ我が子を認知して、
男は死ぬまで養育費を払ってる。

EMILE-MUNIER-CUPID-AKA-AMOUR-[1]


エロース

キューピッドと言えば可愛らしいが、
背中に翼は付けてるが、
その正体は天使じゃない!

愛の女神のアフロディーテー、
ローマ人からはビーナスと呼ばれている。
彼女がエロースの母親だ。

でも、皆さん、気を付けて!
アフロディーテーはギリシャでは、
娼婦の女神だったんだ。

「ビーナスの病」って知っている?
古代ギリシャの人々は、
子宮頸ガンをそう呼んだ。

そう、皆さんの想像通り、
娼婦は子宮頸ガンウイルスに感染するから、
その多くが子宮頸ガンで死んだのだ。

古代ギリシャの医師に敬礼しよう。

「愛の病」?
決して「恋煩い」なんかじゃないよ。
怖~い、怖い性病だ。

アフロディーテーの息子がエロースなんだから、
こいつの正体もわかりそうなもの。

翼があるから自由自在に、
あらゆる人に忍び寄る。

エロースの黄金の矢と鉛の矢。
射られれば人はもうおしまい!

黄金の矢で射られた人は、
誰かを夢中で好きになる。

ところが鉛の矢で射られたら、
とたんに誰かが大嫌い。

皆さん、このいたずらな神様が、
何を象徴してるかわかるかい?

恋は盲目、突然始まり、
それが突然終わりを告げる。

大した理由もないのにね。

皆さん、クピドに気を付けて!
こいつは決して福の神じゃない!

服すら着てない貧乏神で、
一歩間違えたら人生終わり。

めくるめく恋の炎に焼かれ、
ゆめゆめ破滅しないでね ♡

ほら、耳を澄まして聞いてごらん。
今日もエロースが笑ってる。

「僕のこの矢の力には、
 神様だって抗えないんだ!」と。
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